心肺蘇生法講習会
深谷市消防本部の方々をお招きして心肺蘇生法講習、熱中症対策講話、エピペンの使い方を職員研修しました。全員が順番にすべての役割を実演しました。校長からのあいさつではAED財団の方からお話を伺ったことの紹介もありました。
以下は以前に公益財団法人日本AED財団理事 元さいたま市教育委員会教育長の桐淵 博様からお話を伺った時のお話です。
今ではほとんどの方がご存じのAEDの普及にもこの『ASUKAモデル』が活かされています。『ASUKAモデル』とは、平成23年9月29日、さいたま市立小学校6年生の明日香さんが、駅伝の課外練習中に倒れ救急搬送された後、翌30日に死亡するという大変悲しい事故が起きました。この事故を教訓として、「明日香さんの事故から学ばせていただく。」「二度とこのような事故を繰り返さない。」という想いを込めて作成された研修テキストに付けられた愛称が「ASUKAモデル」です。研修にお招きした桐淵様も作成に携わられています。この『ASUKAモデル』は明日香さんの一周忌に合わせて公開されました。講演の中で講師の方から明日香さんのお母さんが「明日香の命日は『ASUKAモデル』の誕生日でもある。」とおっしゃっていたということも印象深かったです。
明日香さんを救うことのできなかった理由の1つに「死戦期呼吸」があげられます。一般人には呼吸をしているようにも見えますが、実際は心停止のサインです。当時の一次救命処置の常識はA(気道確保)B(人工呼吸)C(胸骨圧迫)でした。脈の確認も推奨されていました。ただし、脈の確認は医療従事者であっても約30%の方が自分の脈拍と見分けがつけられないとの調査もあるようです。現在の一次救命処置はC(胸骨圧迫)A(気道確保)B(人工呼吸)の順へと変更されています。
突然の心停止はいつどこで起こってもおかしくありません。講演の中では、小学生のお子さんが家で『ASUKAモデル』で学習した知識を使って父親を助けた事例や、部活中に倒れた顧問を生徒だけで胸骨圧迫やAEDの使用、119番通報をして命を救った事例も紹介されていました。
講師の方が強調されていたことは「いつもと違う、呼びかけに反応しない等の異常が見られる場合には迷わずに胸骨圧迫、AEDを使用する」「心拍がある場合には胸骨圧迫を阻止するような行動が見られる」「AEDには自動解析機能がある」「1秒でも早い行動が命を救うことにつながる」です。
みなさんも大切な人を守るために家の近くや、外出した際にAEDの場所を確認するきっかけになっていただければと思います。